バンパーなどを塗装する場合、部品全体を塗ることが多いと思いますが、例えばこすって傷がついたところだけ部分的に塗装することはできないのでしょうか?塗装の境目が分からないような部分塗装って可能なんでしょうか?

っとこんな質問が来ました。

結論から言えばもちろん可能です。業界では部分塗装(タッチアップ)といいます。

ただ 質問者さんがどの位の範囲内の塗装を思い描いてるのかわかりませんが 色・部位・バンパーの形状により塗装範囲は変わってきます。

ソリッドの白が1番小さく塗る事が出来ますが 最近多い3コートパールや淡い色の付いたシルバー等は 思われている以上範囲が大きくなる可能性があります。
金額ですが 部分塗装であれば 基本的にバンパーの脱着はしない場合が多いです。 普通の国産車なら高くても2万円以内で済みます。 一本塗りの場合 新品部品価格の7掛け~8掛け 程度の料金が普通です。
補修で新品より値段が高くなる事は 通常認められませんし その様な場合はわざわざ直さないでユーザー様は交換しますよね。
ただ 古い車で 部品供給が止まった バンパーに関しては どこかにそんな 業者がいるかも知れませんが…

一本塗りなら 脱着作業を必ずします。メリットは足付けをきっちり出来る(際から剥がれる心配無し) ボディの隙間からの小さいゴミの噴出しがなくなるので綺麗に仕上がる、クリアーのぼかし際が無いのでそのバンパーに関しては艶の差が殆ど変わらず、後からぼかし際が目立ったりしない。

部分塗装は、基本安上げですので グリル・ランプ・フォグは 外しませんから物理的にきっちり足付けは出来ません(角部分が剥がれる・隅やペーパーが当てづらい箇所が汚れたまま塗らないといけない場合もあり埃・ゴミの付着の可能性は大) 。

あとは最終クリアーぼかしの場所で旧塗膜との段差は必ず出来ます。ぼかし際は、旧塗膜の上から新しく塗るのですからねソリッドなら最終部分・2コート・3コートならクリアーの最終部分をぼかし用シンナーでミストを馴染ませヒーターでの乾燥後その部分の肌荒れを磨き整えて 納車です。

ただ、ぼかし際は 非常に塗膜が薄いですし、そこだけ少し艶引きしているように見える可能性があります。 一般のお客様にぼかし際を見切れる人はそんなに居ないとは思います…

あれこれ書きましたが、仕事で使われる車や過走行のクルマなどパッと見の綺麗さを求める場合以外は、当店ではよほどの事情が無い限り部分塗装はお勧め致しませんその理由は、やはり経年による見栄えの低下です。せっかく修理に出していただいたクルマは綺麗に長持ちしてもらいたいと切に願うのが我々の職人魂です。もちろん部分塗装にも高度な技術でより長持ちする工夫はしておりますのでご安心下さい。